四月は君の嘘をクラシックで振り返る

音楽未経験者のオタクが西洋音楽史を調べてクラシック通を目指すブログ

起業するならベートーベンに習え?(クロイツェル)

作曲家


ベートーベンの特徴

ベートーベン""

 1. 超自立型の音楽家
 はじめて有料の演奏会を開いた音楽家だそう。
 この頃の音楽家は、貴族や王様に雇われてお金を稼ぐのが通常でした。
 そんな中でベートーベンは、新しいビジネスモデルを提案していました。


 2. 耳が聞こえないけど…
 有名な話ですが、ベートーベンは20台後半から耳が遠くなり、40歳で完全に聞こえなくなります。
 前回紹介した「月光」は暗い曲でしたが、「交響曲第九番」のようなスケールの大きい曲もかいています。
耳が聞こえないという、作曲家として最大のハンデを背負いながらも、それを感じさせない作曲をするのは、ベートーベンが逆境に強い男だからなのではないでしょうか。

 

 

聴いてみると、激しい速さ・強さの強弱を感じるでしょう。
この曲の歴史・出来た経緯を見ていきます。

1.  実は「クロイツェル」ではない。
バイオリニストのルドルフ・クロイツェルに捧げたため、名付けられた。
ベートーベンがつけた本当のタイトル名は
ほとんど協奏曲のように、相競って演奏されるヴァイオリン助奏つきのピアノソナタ

2.
 枠にとらわれない作曲
 実際に音楽を聴いていて、ん?と思ったかたもいるんじゃないでしょうか?
私も思いました。


あんなにヴァイオリンが目立ったピアノソナタってあるのか? 

 当時のヴァイオリンソナタは、あくまでもヴァイオリン助奏つきのピアノソナタであって、
バイオリンは脇役で、主役はピアノです。

そんな中ベートーベンは、ヴァイオリンとピアノの関係が対等な曲を作りました。

 

 

なぜアニメでこの曲が選ばれたか?

かをりはお嬢様のような優雅な見た目をしているのですが、
公生くんへピアニカを投げつけて、半殺しにするなど破天荒な性格の持ち主です。

また作中では、彼女が楽譜に忠実な演奏をしないため、
審査委員長の逆鱗に触れますが、観客の評価が高く特別賞をとってしまいます。

 


1. 速さの強弱の差が激しい
演奏者の宮園かをりを一瞬で紹介している。

 子供達と仲良く演奏したかと思ったら、主人公にキレ出す破天荒な性格を1曲で表現した曲になっています。

2. 空気を読まない(いい意味で)
 ベートーベンは当時のバイオリンソナタと違い、バイオリンとピアノの両方が主役の曲を作りました。
 宮園かをりは、コンクールなのに楽譜を無視してクロイツェルを演奏しました。なんだか似てる気がしませんか?かをりの演奏に対し、「譜面通りじゃない!
」と
審査委員長は怒りますが、

 ベートーベン的には「いいぞ、もっとやれ。」だったのかもしれません(笑)