四月は君の嘘をクラシックで振り返る

音楽未経験者のオタクが西洋音楽史を調べてクラシック通を目指すブログ

西洋音楽界の修造ことベートーベン(月光)

おそらく、世界で最も知られている顔の1つでしょう。

皆様はベートーベンにどんなイメージをお持ちですか?
神経質…耳が聞こえない…学校の怪談の… などなど色々あると思います。 


アニメでこの曲は、
主人公、有馬公生が挫折し、トラウマが発症するという印象的なシーンで使われています。

 

曲調は暗めで、だんだん早く・感情的になっていくのが分かります。
この曲からは、 何かから逃げる必死さを感じました。

実際はどのような曲なのでしょうか? 

作曲家自身と、曲が出来る背景から考察させていただきます。

作曲家

 

ベートーベン""

✔️ 幼少期、父親からスパルタ教育を受ける。
  父親は将来的に、息子を稼がせることで、怠けた生活を送りたい!ともくろんでいました。

✔️ ピアノで有名になり、いろんなところで認められる。
  しかしその頃、身内に不幸?が起きる。(母親がなくなる、父親アルコール中毒になる)
   そのため、金銭的に苦しく、仕事を掛け持ちしたそうです。

✔️  20代後半で耳が聞こえなくなる。


✔️ 耳が聞こえないけど作曲を続け、たくさんの名曲を作る。

✔️ 本当は「月光」という曲名ではない。

 ベートーベン本人は幻想曲風ソナタと名付けたそうです。

✔️「失恋」をエネルギッシュに表現した曲。
根拠1 音楽の構成

全3楽章は、ストーリー仕立てになっています。
 第1楽章 → 耳の病から立ち直れない内面を表現

 第2楽章 → 勇気を奮いだして告白

 第3楽章 → 激しい破局

 この流れを見ると、
 終盤にまくしたてている印象があることにも納得です。


根拠2 作曲時のベートーベン

月光は、ジュリエッタ・グイチャルディという貴族の女性(かつベートーベンの弟子)のために作られました。

ベートーベンとジュリエッタ・グイチャルディは、互いに愛し合っていたにもかかわらず、

身分の違いのために実を結びませんでした。(ロミジュリみたいですね)

そんな思いを曲に載せて作曲したのではないか、と考えられています。 

なぜアニメでこの曲が選ばれたか?

注目点1 スパルタ教育、耳に難あり
 有馬公生くんと重なるところが多いですよね。(マザコンなところもしかり)
ベートーベンの一生は、公生の今後の人生の暗喩なのかもしれません。
※この記事を書く時点で、筆者はまだ結末を知りません!


注目点2 絶望感

ベートーベンは「決して叶わぬ恋」に挫折し、その思いを「月光」に託しました。

一方、公生は「母親を失った挫折」の中、「月光」を演奏しました。

2人には、何かを失う挫折を月光にぶつけているのでしょう。


ベートーベンと公生は生き方が似ています。
そんな2人が、似た心境のときに演奏したと考えると、

月光はベストチョイスな気がしてたまりません。

細かすぎる補足

1. ピアノの指導方法
ベートーベン
「 自分のすべてを感情を込めて弾いてください! 

 修造スタイル…!
 しかもこの指導方法は、現代のオーソドックスなものになっているようです。

 テニスとピアノは似ているのかもしれませんね。

2. 「月光」と名付けた人…レルシュタープ(詩人)

3. ベートーベンはどのくらい ジュリエッタ・グイチャルディを愛していたか。

 手紙より

 1人の愛らしい少女の魅力が、僕をこんな風に病の苦悩から立ち直らせ、変わらせたのだ。その女性は僕を愛しているし僕もその女性を愛している。2年ぶりでまたいくらかの幸福な瞬間を楽しんでいる。結婚して幸福になれるだろうと考えたのは今度が初めてだ。ただ遺憾なことは身分が違うのだ。ーそれで今は、結婚はむろんできないだろう。

 

4. 左利き