四月は君の嘘をクラシックで振り返る

音楽未経験者のオタクが西洋音楽史を調べてクラシック通を目指すブログ

茅野愛衣の選択理由。ではなく  「眠れる森の美女」より「ワルツ」(チャイコフスキー)

 

 眠れる森の美女より「ワルツ」(チャイコフスキー

作曲家

 

f:id:shigatsuclassic:20150321145438j:plain  ピョードル・チャイコフスキー

 

ロシア最大の音楽家、と紹介しても問題ないでしょう。

チャイコフスキーの人生  
略すととんでもなく簡単なものになります。
① 子供の頃は法律を勉強して、法務省(のようなところ)で働く

② 断念して音楽の道に進む

③ 以後、様々な曲を書いては評価されたりされなかったり。
  (基本的にされるけど)

 

チャイコフスキーの特徴  

・ロシアで初めて音楽の専門教育を受けた
 ロシア最初の音楽院(サンクト・ペテルブルク音楽院)の第1回生として教育を受ける。

・弟のチャイコフスキー
 弟は劇作家・伝記作家として活躍した人です。
 紛らわしいので注意

・同性愛者疑惑
 チャイコフスキーの生涯を語ると、最後に絶対でてくるのがこの話です。
 実際はどうなんでしょう?

 私の漁った資料では同性愛者として書かれていますが、
 ネットで見てみると「耳の悪い男の子を擁護していただけだ」とする説もあります。
 自分の探した資料で意見を言いたいけど、ちょっと古いから自信が持てないんですよね…

ただ、当時のロシアを見てみると

上流階級では、同性愛が広く行われていて、重大なスキャンダルになるほどではなかったようです。

 

代表作は「白鳥の湖」、「くるみ割り人形」。言えば分かる人は多いでしょう。

実はこの2つは、今回の曲「眠れる森の美女」を含めて
三大バレエ と呼ばれています。

 
バレエの内容は、

姫の命名式に招待されなかった悪の妖精のせいで、姫は100年の眠りにつく。
その後、王子のキスによって復活し、結婚。

という内容です。
けっこうベタですよね。

その中で「ワルツ」は
序盤の、姫の誕生日に踊る村娘達の様子を表現しています。

前述した2つのバレエでもそうなのですが、

チャイコフスキーの曲は
帝政様式 」という、帝政ロシアを賛美する曲であることが特徴です。

曲の印象・なぜアニメでこの曲が選ばれたか?(それと雑談)

 

アニメでは、相座武士の妹、(ナギ)と公生が連弾形式で演奏します。
ネットで見る限りですが、作品内では一番人気のある曲な気がします。

元々は凪の学校の文化祭(?)の発表だったのですが、
いろいろあって公生が「僕も出たい」という話になります。

演奏では、公生がドSに凪にプレッシャーをかけるのですが、
凪はそれに見事な反応をみせ、自分の成長を兄(相座武士)へ見せつけます。

個人的には、武士の彼女の
冗談やめてよ…
が好きです。

多分脇役の寿美菜子さんの演技が好きなんだろうな…

あともちろん、茅野愛衣さんの演技も好きです。

クラシックの演奏の途中に「焼き芋おいしかったなぁ
みたいなこと言っても邪魔に感じないのは
あの声、あの技術があるからこそなんじゃないのかなと思います。
多分、無理に声出してる中1キャラだったらイラッとくるんじゃないのかなと思います。

 

失礼、長くなりました。

この曲の演奏中、2人に共通するのは
特定の人を想って演奏しているということです。

具体的には以下の通り。

相座凪 〔演奏理由〕兄(相座武士)を勇気づける(?)ため。

    〔結果〕  武士は公生に次のコンクールでの挑戦状を突きつける

有馬公生〔演奏理由〕自分の「生」に限界を感じた宮園かをりを勇気づけるため
          (1発殴るため)

    〔結果〕  かをりは手術を決断

一方、「ワルツ」も、ストーリーとしては、「お姫様を歓迎する」ための演奏であり、
特定の人に向けられた曲」という意味では重なるところがあります。

また、作中にもあったのですが、

この曲は主旋律が下(公生)に入れ替わります。

主旋律だった凪を公生がプレッシャーかけて、
入れ替わるときに

逃がすか! 
耳を研ぎすませ!
同時に反応しろ!
有馬公生に食らいつけ!

となるところに感動しやすくなる仕掛けになってると思います。