四月は君の嘘をクラシックで振り返る

音楽未経験者のオタクが西洋音楽史を調べてクラシック通を目指すブログ

ち ん こ ん か ? ~愛の悲しみ(クライスラー)~

 

作曲家

f:id:shigatsuclassic:20150321145438j:plain  フリッツ・クライスラー

 

クライスラーの生涯(一部)   

幼少期

✔️ 医者の息子として生まれる。

✔️ バイオリンが天才的にうまく、飛び級で卒業(10歳で主席)
 この業界って天才しかいないのか…いないんだろうな…

20,30代

✔️ 陸軍に入ってやめて、音楽で食べていくことにする。
✔️ ヨーロッパ(オーストリア)へ戻る船の中でであった女性と結婚。
✔️ 奥さんはマネージャーとして活躍したらしい。
✔️ 奥さんの活躍

 ・値上げ交渉

 ・クライスラーの管理(練習が終わるまで部屋から出さないとか)

40代前後

✔️ 第一次世界大戦に出る

 →重傷を負って除隊する(帰ってきます)

 →音楽活動再開

その後音楽活動をしながら生活し、86歳でこの世を去る。

曲の印象

アニメでは、有馬公生が ガラコン(何かを記念して企画された演奏会)で
宮園かをりと演奏する予定だった曲です。

当日になっていきなり、かをりとの連絡がつかなくなり、

公生が一人で演奏することになります。
ここで演奏できてればねぇ…

公生はこの曲と向き合うことで母を思い出し、トラウマを克服します。


曲中の回想シーンでは、公生の母親が出てきます。
紘子さんの回想では、早希(公生の母)が息子に厳しく接していた理由が明かされます。
また能登さんの演技が凄いんだこれが…

 

公生の回想では、優しい母親を思い出し、
亡霊のように見えていた母親は、自分の作り出した物であり、

本当の母親は心の中にいることに気付きます。

シチュエーションを見ただけでも、「愛の悲しみ」の選択は

ベストな気がしてならないですが、

なぜアニメでこの曲が選ばれたか?

 

鎮魂歌的な曲なのではないかと思います。

 

この曲は、クライスラーが40歳頃に出版されました。

つまり、戦争から戻ってきた時期と重なります。

クライスラーはその、残った兵士達のことを思ってこの曲を書いたのではないでしょうか。
怪我により戦地から離脱したクライスラーは、
残った兵士達に申し訳なさや、名残惜しさを感じていたと思います。

そんな気持ちや死(んでしまうかもしれない)人を、

この曲によって慰めていたような気がします。

アニメでは、

公生の、自分の母との思い出を振り返って、トラウマである亡霊の母親を克服し、

さよなら。

と言って舞台を去ります。

また、公生の師匠である紘子さんも、早希に対して
私たちの息子が最後のお別れをしにいく
と言います。

 

本来の鎮魂歌は、

生きている人間が、亡くなった方の魂の安寧を願って演奏されます。

一方この曲は、
生きている人間が、亡くなった(かもしれない)人への思いを

慰める曲なのではないかと思います。