【長門有希ちゃんの消失】使用曲 〜亡き王女のためのパヴァーヌ(ラヴェル)〜
「亡き王女のためのパヴァーヌ」を調べてたときにちょうど「長門有希ちゃんの消失」に出てきてびっくりしました。
このブログでは、この前終了したアニメ「四月は君の嘘」で使用されたクラシック音楽を調べて、その曲が何故使われたのかを考察するブログです。
良ければご参照ください!↙︎
shigatsuclassic.hatenablog.com
亡き王女のためのパヴァーヌについて
「四月は君の嘘」では、有馬公生(主人公)がパヴァーヌは絶対に弾かない曲として宣言していました。
ヒロイン(宮園かをり)が重い病気のため、生きることをあきらめかけていたときにかけた言葉です。
なぜこの曲が出てきたかというと、
この2人が共通して読んでいたとされる「いちご同盟」という小説になぞらえています。
(いちご同盟の主人公は、死んだヒロインに「亡き王女のためのパヴァーヌ」を演奏したというシーンがあるみたいです。)
「四月は君の嘘」では実際に演奏されていませんが、この曲について考えていきたいと思います。
作曲家
モーリス・ラヴェル
ラヴェルの人生
✔️ 学生時代からの有名人
ラヴェルは学生時代から名曲を書いていた。
しかし批評家の評価が悪く、ローマ大賞に応募したが受賞できなかった。
(それがきっかけで学校の院長が辞職する)
✔️ ペースはまちまちだが、数々の曲を作曲。
母が亡くなったり、戦争に参加したりして年1のときもあった。
✔️ 50歳以降から記憶障害・言語障害に悩まされた。
代表曲
・ボレロ
・スペイン狂詩曲
曲(亡き王女のためのパヴァーヌ)
学生時代に書いた曲で、ラヴェルが有名になるきっかけになった曲です。
タイトルを見ると、亡くなった人に対する鎮魂歌のように感じるかもしれませんが、
実際は違うようです。
「亡き王女」はフランス語でinfante défunteとなり
そのゴロの良さでつけられたタイトルだとされています。
実際にラヴェル本人も、
小さな王女が踊ったようなパヴァーヌ(行列舞踏)を表現したと言っていました。
アニメに置ける亡き王女のためのパヴァーヌ
四月は君の嘘では、いわゆる鎮魂歌とした位置づけで使われています。
しかし、調べてみるとこの曲自身は
1人の王女を表現した曲 であることが分かりました。
つまり、いちご同盟のオマージュであることを除けば
公生、この曲弾いてもいいじゃん。
ってことになりますね。
また「長門有希ちゃんの消失」はこの曲中で、
① 文芸部が好き
② キョンへの感謝(好意)
③ 文芸部でもクリスマスパーティをしよう
の3つを長門が言及しています。
また、ナレーションも含まれていて、
これは、内気な少女、長門有希の物語である。
と言っています。
すなわち、
この曲中で表現していることは、悲しい思いではなく
1人の少女にスポットライトをあてていますよ ということを表現しているように思えます。
いかがでしょう?
一見どうでもいいBGMの話ですが、調べてみると意味があるような無いようなで、
アニメをより一層楽しめる気がします。
細かすぎる補足
✔️ ラヴェル自身は、この曲がそんなに好きじゃないそうです。
技術的に目新しいものがないだとか。まぁ謙遜かもしれませんが。
✔️ 晩年は、記憶障害のため「亡き王女のためのパヴァーヌ」を聴いて、
これはいい曲だね?誰が作ったんだい?
と質問したという話が有名です。